教会とはなにか② 「公同」・「一」なる教会

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最近、日本基督教団では「公同の教会」ということが、強調されている。


教師検定試験でもこの主題について聞かれることが多い。この点に疑問符がついているのではないか、という認識が広く存在するように思う。


「公同」とは、「普遍的(カトリック)」ということだ。この意味を、ある神学者は「どこにおいても同質のもの」と表現した。


つまり、A教会に行っても、B教会に行っても、同じキリストが説教され、同じ主が礼拝されているということにおいて、教会の基本的な教えはどこでも同じものであるという意味で同質的だということだ。


教会形成のやり方や教えの細部などについての多くの点について多様性があったとしても、基本的な教えの「質」においては同じであるということだ。


 そして、「同じキリストが礼拝されている」という教会の「同質性」を保つためには、「信仰理解」に原則的・基本的な一致が必要である。根本となる教えの理解が違うなら、教会の「同質性」は保つことができない。


私たちの教会が属する日本基督教団では、この「基本的な教えの最低限の一致点」を示すものとして、「日本基督教団信仰告白」を掲げている。


この信仰告白は「簡易信条」と言われるもので、「一致のための必要最低限の基本的教えを網羅したもの」だ。


他の教派では、非常に細かい点に至るまで規定したりもする(ウエストミンスター信仰規準など)。


教団は多くの教派が合同したため、細かい点については教会の自治性・主体性に委ねる余地を十分に残しながら、「最低限」のラインを示している。


「キリストが臨在してくださる」ことは、教会が基本的な教えを守り続けることを前提にしている。主イエスが「ファリサイ派の人々のパン種に注意しなさい」と仰り、「異なる教え」に警戒を促されてから、教会は歴史的に「異端」と闘い続けてきた。


それは、「教会の公同性」を保つためには「基本的な教え」を鮮明にして保持する必要あり、これが教会の生命線を守るための決定的なことだったからだ。

 

 

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教会は神学的には、「一・聖・公・使徒的」なものである、と言われているが、今回は「一」ということに触れてみたい。


「教会は一つである」というのは、どういうことか。教会が「多数」であるのは周知の事実だ。


「カトリック」「東方正教会」「プロテスタント」の大きく三つに分かれており、プロテスタントの内部でも多数の「教派」も分かれており、さらに「各個教会」というレベルでも無数の教会が世界中に存在している。


そこでなされている礼拝の多様性については、驚くべきものがあり、礼拝しながら熱狂的にダンスするアフリカの教会・・・。


早天祈祷会・徹夜祈祷会をする韓国の教会、ロックバンドのライブのような礼拝を行うアメリカ等の単立教会、2時間以上たちっぱなしの礼拝をするロシア正教会・・・。


このような礼拝を思い起こすとき、日本の多くの教会の礼拝の間には、ほとんど共通性が見られないほどの多様さがある。


「キリストの教会は一つである」ということの意味は、以上のような人間的な視点で「見える」部分に焦点を当てるほど、ほとんど意味がわからないものだ。


しかし、「教会は一つ」というのは、その前提として「唯一の神、唯一の救い主キリスト」という真理がある。神が唯一であるということが、「教会が一つ」であることの根拠なのだ。


つまり、上のような多様な教会・礼拝・集っている人々にあっても、「唯一の神」を仰いでいるということにおいて、教会は一つであり、そこには究極的には分裂も対立もない。教会の一致の根拠は、ここにある。主イエスのみが教会の一体性の礎だ。


「教会が一つ」と言われているとき、その一致を生み出すのは唯一の神への信仰であり、同時に私たち一人ひとりが「唯一の神」を仰いでいるのか、別の方向を向いているのかが常に問われている。


教会の一致というのは、人間的なものではない。


人間的には私たちは、一人ひとりがまったく異なる存在であって、そこには一致はない。人間としての考え方において一致しようとしても、もはやそこにはなにも一つとなりうるような根拠は存在しないからだ。


教会としても人間としても、経験や思想、知識や生きてきた時代にいたるまで見つめるなら、共通点はほとんどないと言える。


ただ、唯一の救い主キリストを仰ぐ信仰においてのみ、私たちは一致することができる、そういう群れなのだ。人間としての違いを見つめるのではなく、むしろ唯一の救い主を仰ぎ、このお方のみ言葉に従うことだけが、教会の一致の根拠である。

 



齋藤真行牧師の説教・牧会チャンネル

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